ディズニーランド行き

関越道で痛ましい事故がありました。
たいていは「関越道でバス事故」と伝える中、
いくつかのメディアでは
1.「ディズニーランド行き」や
2.「東京ディズニーランドなどで過ごす乗客を乗せた」
と、「ディズニーランド」を強調しています。
間違いでは無いのですが、運行の実態をあいまいにしてしまう表現だと思うのです。

ディズニーランド行きと聞いたとたん、地方都市発で、旅行代理店主催のディズニーランド行き団体旅行だと思ってしまうのです。
そうなれば、「楽しみにしていた若い人たちがかわいそうに」と他人事の様に思うわけです。

でも実態はそうではないのです。
[いろいろ乗り継ぐ] 富山への道
で取り上げた夜行バスが東京と金沢を結ぶツアーバスが同じ様な形態でした。
大手のツアーバス会社に申し込んだはずなのですが、繁忙期ということもあり提携バス会社の運行だったのです。自社便ばかりではないことは、案内にきちんと記載はされているのですが、提携先の労働条件がきちんと守られているかどうかは、ツアーバス会社を信用するしかありません。

アーバスでの居眠り事故は過去にもありましたから運転手の人数は気にしていました。670km未満なら1名で良いといわずに、一泊するバスは2名が交代で運転してもらうのが安心です。私が利用したバスは、2人運転手が乗務していましたので、途中で交代してくれるのだなと安心していました。

そんなわけで事故車の実態は「金沢−東京の夜行路線バス」なのです。こう聞けばもっと、身近な危険として実感できるでしょう。

ちなみに東京ディズニーランド行きバスというのは、東京ディズニーランドに行く人を集めているということではなく、途中の新宿、東京にも多くの乗客が下車します。「東京ディズニーランド」や「新木場」といった東京のはずれが終点なのは、都心に駐車スペースを確保できなかったり、郊外に営業所などがあったりで、東京でディズニーランドまでの乗車率が悪くても、多くの便が東京でディズニーランド行きになっているのです。

今回の乗客は東京・新宿が38名、東京ディズニーランドが7名です。多くの乗客は東京に用事があるといって良い割合だと思えるのです。「東京ディズニーランドなどで過ごす乗客を乗せた」と表現する記者は、記事を特徴づけるキーワードとして採用したフレーズなのだと思うのですが、適切では無いと思うのです。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012042900017&j4