コーヒーの錬金術

高校の時に文化祭でクラブ活動の一環として出店したことがあります。その時の商品はアメリカンドッグ。スーパーで冷凍のものをいくらかで買ってきて、儲けをいれて売るわけです。売れ残りが無いように控えめに仕入れをして、ぼちぼち儲かるのだなと皮算用です。

一方で、おまけにアイスコーヒーでも出してみようということで、お徳用のインスタントコーヒーを1瓶と氷を用意しました。インスタントコーヒーは水に溶けやすい様、あらかじめ熱湯で溶かしておきました。

アメリカンドッグがぼちぼち売れる中、ほとんど元手のかかっていないアイスコーヒーが飛ぶように売れていきます。自動販売機の紙パック入りコーヒーが70円に対し、50円という設定は割安であり、安すぎなくて安心というところなのでしょう。

最初の何杯かで元はとれ、後は売上がそっくり残るという状況です。売る方にも熱が入り、その熱気で客もどんどん列を作る。結果としてアメリカンドッグの売上を上回る利益を生んだ商品となったのです。

「コーヒーって儲かるんだな」と高校生の私はコーヒーの錬金術を垣間見たのですが、いまだにその経験を生かせていません。