チベット行きのバスにて

1月2日にNHKで放映された「青海チベット鉄道〜世界の屋根2000キロをゆく〜」は、20年ほど前、同じルートを鉄道とバスを乗り継いで旅をした者にとって懐かしい思い出です。

鉄道(私の場合はバス)は5000m級の峠を越えることになりますが、日本の険しい山を想像していると、ちょっと拍子抜けするくらいなだらかな勾配が延々と続きます。ただ標高が高いことにはかわりありませんから、高山病の症状で気分が悪くなります。

チベットの人たちは高地に強くてもバスには弱かった様です。バスの後ろの方からは、おう吐する声が聞こえてきます。乗り物に弱い人は前の方に座れば良いのでしょうが、このバスはそうはなっていません。前方に私たち外国人観光客(主に日本人と香港在住者)、中央に漢民族、そして最後部にチベットの人たちです。

かつて有色人種を差別していた国のバスでは、肌の色ごとに着席位置が分かれていたそうですが、同じような雰囲気です。航空機の様に、運賃の違いで座る場所が違うということもあったようです。でもチベットの人たちが、経済的に不利な立場にあるということを聞き及べば、どっちでも同じ事でしょう。

20年後の青海チベット鉄道のテレビ取材。外国人旅行者は1等寝台車。漢民族は2等寝台。チベット族回族たちは2等座席車。カメラを通してこんな感じ見えました。

今回のコンテンツは、サイトの見直しに伴い一旦廃止したものを、復活させた物です。私の旅も、テレビの特番も、特に詳しく踏み込んでいませんが、関連リンクを通して、チベットの現状を知る機会を提供できればと思い、何の特徴もない旅行記を公開させていただきました。