関東に2つのハブ空港
このコンテンツは、本家にて、挿絵入りで書き直しました。
是非そちらに訪問してください。
[こんなはずではなかった交通の結節点] 利用空港の選択
成田も羽田もハブ空港なのです
ハブ空港の条件は、地理的な要因が大きいわけです。成田空港の滑走路がたった1本で、第1ターミナルしか無いときから、ハブ空港の機能は持っていました。アメリカ全土から出発した便は、日本の夕方に集結し、アジアの各地に向かうのです。
ハブ空港は母都市の活力も条件です。大都市東京を抱える羽田空港はだまっていても、日本中の路線が集結しています。どの航空会社に乗っても、同じ料金で利用できるよう指導をしてきた航空行政も、乗り継ぎの利便性を高めてきました。
ハブ空港の条件は滑走路数ではなく、成田は国際線のハブ空港、羽田は国内線のハブ空港になっているわけです。
- [参考サイト]
- 間違いだらけのハブ空港論:東雲の独語:So-netブログ
- 成田については、私の暴論ではありませんので。
まったく同じ機能を持った2空港を整備する
これからの航空政策は国際線と国内線が乗り継げるハブ空港だ大臣は主張しています。D滑走路が出来ても、羽田の発着枠は劇的に増えるわけではありませんから、成田を廃止するわけにはいきません。そうなると
と同じ機能を持った空港を2つ整備するということになるのです。
大臣ははっきり言っていませんが、こういうことです。
東京ならハブ空港が2つでも両立する
ハブ機能は、空港全体の便数でなく、各航空会社が運行している便数により語らなければなりません。アメリカからアジアを結ぶ太平洋路線の中継地点として成田をハブ空港としているD航空とU航空。お互いはライバルであって、D航空でアメリカから到着して、U航空でアジアに乗り継ぐことは想定外でしょう。つまりD航空とU航空は別々の空港をハブ空港とすることは可能なのです。
同様に国内線も、大規模な航空会社はJ航空とA空輸の2社あります。競争原理に期待すれば、それぞれは別の空港を使用すればよいのです。
成田はJ社
羽田と成田でJ航空とA空輸を振り分けるとき、どちらの航空会社も成田に国内線を移したくないという思いがあるでしょう。
ここは大臣がJ航空に成田に行きなさいというしかありません。
そもそも、
- J航空は国策企業で、航空業界を支えるために誕生した。
- J航空は国際線のフラッグキャリアで、多くの成田発着国際便を抱えている。
- A航空はJ航空ほど成田発着便は多くない。
- J航空を支援しようとしているアメリカのD航空は、成田をハブとする航空会社を持っていて、成田を動く気はない。そして成田発のローカル線が充実すれば有利となる。
- A航空と仲間であるアメリカのU航空も成田をハブとする航空会社だが、ハブ機能としての成田にあまり未練はない。
なのです。
当分は、日本乗り入れの航空会社は、成田に乗り入れ続けることになるでしょうから、J航空が成田発のローカル線網を構築すれば、地方空港は、ワンストップで世界に向かえるわけです。
成田を地方活性化の基幹空港に
成田もそんなに遠くないのです。日暮里から計算しますと、成田へは来年開業の新型京成スカイライナーで36分。羽田へはほぼ同じの37分ですから、快適に着席できる列車網が充実できれば、利用者の遠いという印象はすぐに打ち消せるでしょう。埼玉県下から快適なアクセス列車を走らせるために、武蔵野線や成田線の整備に空港整備特別会計を投入しましょう。
成田を便利にするのは、地方のローカル空港のためでもあるのです。
- A空輸主体の羽田空港では、路線網のリストラ
- よって国策企業のJ航空が頼り
なのです。
地方空港も羽田行き空港と成田行き空港に
採算重視のA空輸は不採算空港を切り捨て、J航空が公費を投入して路線を維持していくと、地方空港にも羽田行き空港(A空輸)と成田行き空港(J航空)に2分されます。
成田行き空港では、
- 多様な国際便への接続
- 便利な早朝、深夜便
- 千葉県、埼玉県へのアクセス
をアピールして結構善戦すると思うのですよ。
以上、なし崩し的に公費を投入するくらいなら、役に立つ公費の投入を考えてみました。