高速無料化はCO2を削減させるはずだった

asahi.com(朝日新聞社):高速千円、CO2が300万トン増 環境省試算 - 環境

「高速千円」は、CO2の増加を促すようです(調査することもなくわかりそうなものですが)。報道によれば、国土交通省は無料化によりCO2が削減させると予想していたが、環境省が正しく算出しなおすと「高速千円」によりCO2が増加していたというもの。国土交通省の発表はでたらめだったと読めてしまいます。

しかし、国土交通省の試算も、自動車の交通量が変わらないという前提であれば、正しかったわけです。高速道路無料化で、鉄道やフェリーの客を奪うという前提がおかしいのです。かつて車を優先させすぎて旅客鉄道を壊滅させたアメリカの再現となります。エコの時代に逆行するような施策を国を挙げて推進するわけがありません。

国土交通省が試算する高速無料化の前提として、

  • 高速道路も一般の道路と同じように、自動車に関連する税による「受益者負担」で建設費をまかなう(自動車の保有・運用コストは上昇する)。
  • 公共交通が、ナショナルミニマムの観点から従来の水準を維持できるよう支援をする

と、考えるのが筋です。

その前提があって、自動車の交通量が変化しないものとして、混雑した一般の道路から、無料になった高速道路にも交通量を配分するという前提条件で試算しているわけです。

このCO2の増加分を相殺するには、植林事業とか、バイオ燃料普及事業とか、外国から排出権を購入するとか、お金がかかります。原因となった車からETCで徴収するのがもっとも公平ですが、いまさらどうやって徴収すればよいのでしょう。