あえて非難を受ける

「セントレア」見直しへ 新市名に抗議殺到でという市町村合併関連のニュースが流れてきました。ただでさえカタカナやひらがなの新市名は住民の受けが悪いのに、空港にちなんだ造語というのですから、これを住民に理解してもらおうという協議会のチャレンジ精神は立派です。

協議会というところはどんな案であれ、何かしら非難されてしまうのです。どうせ非難されるのなら、いっそ地域的なしがらみのない造語というのは無難な選択だったかも知れません。

市名の決め方については、「[埼玉市ではいけないか]公募1位の「埼玉市」は退けられた」などのページでも考えているのですが、一般的に新市名の最有力候補といえば、どちらかの市町村名をそのまま継承する事でしょう。この場合、継承されない側の住民を納得させるのは骨が折れることです。

そこで当該地域をカバーするような地名の選択となります。郡の名称などが良さそうな気がするのですが、欲を出して、ゆかりもない有名な地名を採用すると近隣の地域が難色を示すことになります。

こんな風に消去法で考えると、「これなんかおもしろい」と、会議の席で突然浮上した冗談交じりの提案が候補に残ってしまうのかも知れません。うまくいけば、めずらしい市名として有名になりますし、非難されるといっても特定の地域同士がいがみ合うほど深刻なことにはなりません。そして協議会の手を離れて、住民投票で決着すれば、協議会が文句を言われることもありません。

これが協議会のたくみな世論誘導術。そうでも考えないと、「目先の変わった市名候補」が次々と生み出される理由が理解できないのです。