盛り土道路は堤防ではない
盛り土道路で津波に備える
盛り土道路により多重の備えをするということが発表されていました。ヘリコプターよりの映像でも、盛り土道路で津波が食い止められる様子が見て取れたので、有効な手段なのだと思います。
盛り土道路は主に国道や県道等の通過交通を対象とした高速道路的なイメージとなるでしょう。ですから地上の道路との交差は、盛り土に穴を開けておいて立体交差になるわけです。交通の処理からすると、信号が不要となり渋滞や交通事故を減らす役割があるわけです。
道路であって堤防ではない
その穴から津波があふれ出したらどうなるという議論もあるわけです。
仮に、穴を完全に塞ぐとすれば、一般に河川堤防で見られるように、長い斜路を設けて、盛り土道路を乗り越えなければなりません。複数の盛り土道路が並行しているならば、地上の利用者は何度も長い坂道を乗り越えなければなりません。
元々は津波の勢いを弱めるという機能を持たせるというプラスαの発想であったのに、堤防と同じ機能を求めるというのは、本末転倒です。
複数の機能をあわせて目的を達成するという複眼的なものの見方が不可欠でしょう。
20m級の津波対策
断片的な知識をつなぎ合わせた結果、無意識のうちに、「日本全国の周囲を全て20mの防潮堤で囲む」ということが正論のように語られているように思えます。対策はソフト面ハード面でさまざまあって、それをうまく組み合わせていくのが人の知恵というところなのでしょうが、生活の中で、一面しか見えないことも多いわけです。
津波に対する堤防機能がある道路を削ってトンネルを掘っている
・・・市では、津波の想定高さは3.2m。たとえトンネルを掘ったとしても、道路面の高さは9mあり、津波に対しては問題無いとの説明。
9mの津波に耐えられるという市の主張は、震災で確認された津波の高さから考えると、無茶な話でないと思うのです。もちろん絶対安心ということはいえませんが。